弁護士の仕事は、相手方を打ち負かすこと、と思っていらっしゃる方は多いと思います。でも、こちらは相手方を打ち負かしたと思っていたとしても、それが裁判官に伝わっていなければ、何の意味もありません。本当に大切なことは、裁判官に納得してもらい、こちら側が求めている判決を書いてもらうことです。
経験のある弁護士であれば、裁判官がどのような判決を書きそうか、こちらが求めている判決を書いてもらうためにはどうしたらよいか、ということを常に意識しているはずです。裁判官にもさまざまなタイプがあり、心証をたくさん開示する人とそうでない人がいます。しかし、裁判官のちょっとした発言から、心証を読み取ろうとしていくことも、弁護士の大事な仕事の一つであると思います。